広樹は俺の幼なじみで、こいつが乱華を辞めてからはたましか会っていない。

真面目に高校も行っているようだった。



「おーーーーーっす。おめーもっと早く開けろよ!」


昔と変わらない屈託のない笑顔でそう言い、俺を押しのけて部屋へ入ってきた。




「いやー久々だなぁこの部屋!っつーかおめーに会うのが久しぶりだもんな!
今部活帰りで・・‥‥って!!?」


広樹が奈緒に気付いた。


「こ・・こんばんわ・・」


「なっ!!陸!!彼女か!?」


今までの女も何人か広樹には紹介したことあるが、奈緒のようなタイプは初めてだったし広樹も相当驚いているようだ。


なんとなくこいつに奈緒を会わせたくなかった。


広樹は奈緒の目の前に座りこみ、自己紹介を始めた。奈緒は広樹の勢いに圧倒されながらも笑顔で答えている。

なんかその様子が気に食わない。

イラつく。



俺は無理やり広樹を部屋から追い出した。


「広樹さん、せっかく来たのによかったの・・?」


奈緒が心配そうに立ち上がる。



「広樹に惚れた?」

「な、なに言ってんの!?」

「ふぅん、あんたはあーいうのがタイプなのか」

「だ、誰もそんなこと言ってないじゃん!」



ムキになるこいつを見てますますイラついてしまう。


奈緒のくせに俺をイラつかせるなんて生意気だ。