羽をくれた君~side陸~【完】




「ただいまー」


「おかえり。亮んとこよってきたのか?」


「うん、遅くなってごめんね、今ご飯作るよ」



慌ただしく台所へ向かう奈緒。

飯を食った事を伝えると、申し訳なさそうな顔をしていた。



「・・これ、なに?」


奈緒の視線の先には指輪の箱があった。


「え?・・・あ!!やべぇ!!!」


「な、なに?!」


しまうのをすっかり忘れていた。

本当は誕生日に渡すつもりだったが・・・


なぜか奈緒は不安げな表情をしていた。


こいつ自分へのプレゼントってわかってねぇのか?


俺のいたずら心に火がついた。



「ちょっとね。女の子にあげよーと思って」


「女の子?!」


奈緒が身を乗り出して驚いている。