羽をくれた君~side陸~【完】


一週間後。

仕事帰り、ネックレスを受け取りに、アクセサリーショップへ寄った。


「こんな素敵なネックレスをプレゼントされて彼女さんは幸せ者ですね」



受け取る時、店員が笑顔で俺にそう言った。


確かに俺はあいつに喜んでほしいと思ってしまった。


信じられないが笑顔を見たいとも思った。

こんな感情、百合と付き合っていた時以来だ。




なぜだろう。干渉してくるあいつが苦手なはずなのに。



最近、あいつの事が頻繁に頭に浮かぶ。



この前、俺を心配して泣きそうな顔をしていた。



あれからあいつは平然な態度をとっているが、ふとした瞬間、不安そうな表情になる時がある。


それが気になって仕方がない。


どうしたんだよ、俺。


こんなの俺らしくもねぇ。



ラッピングされたネックレスの箱を握り締め、亮の病院へと向かった。