コーヒーを持っていくと、奈緒はまだしかめっ面をしたままだった。
「なーに恐い顔してんの?もう大丈夫だっつったろ?」
「・・・こういうことってよくあるの?」
「あー・・あるかもなぁ、まぁ俺なら強いからぁ・・・亮みたいにやられたりしねーよ?」
「・・・そんなことわかんないし」
めずらしくイライラした口調の奈緒に驚いた。
俺に喧嘩するなってか?
頭が喧嘩しねーって笑えるよ。
今まで人に指図されたことなんかない。
何もかも自分のやりたいように生きてきたから。
だからこうやって説教くせーこと言われると正直だるい。
黙ったままの奈緒を横目で見ると唇を噛んで今にも泣きそうな顔をしている。
もしかしてこいつマジで俺を心配してんのか?
・・・笑っちまうな。だからこういう真面目くせー女はやっかいなんだよ。
この世界の事何もしらねーくせについてきやがって。
なんで俺はこんな奴に5万もするネックレス買っちまったんだ。
あれ渡してさっさと別れた方いいかもな・・・



