すると奈緒は眉間にしわをよせ、俺を見つめてきた。
「・・なんでもなくないよ。何があったの・・?
教えて・・」
こいつ・・・
なんでこんなに知りたがるわけ?
知ったらショック受けるくせに。
「栞んちの近くにでかい公園あってさ、もしかしてって思って行ってみたら・・・あいつ、めんどくせーのと喧嘩しててさぁ。
だから俺もちょっと相手なぐっちゃったー?みたいな?」
俺は簡単に説明し、笑ってごまかそうとした。
しかし奈緒の目は真剣なままだった。
「なにそれ・・ちょっと殴っちゃったって・・で、そいつらどうしたの?」
「まぁー・・・ もう大丈夫なんだから心配すんなって」
側にあった自販機で缶コーヒーを二本買う。
俺は少し動揺していた。
今までの女はこんな事あっても笑って“すごーい”とか言ったりして、それ以上の事を聞いてきたりなんかしない。
追及されるのは苦手だ。



