羽をくれた君~side陸~【完】


亮は右足の骨折と肋骨にヒビは入ってたが、検査では脳に異常はなかったらしい。

俺は一安心して長椅子に腰かけた。


「はぁーーーーーー」



深い深呼吸をし、さっきの事を思い出す。


あいつらを殺してもいいと思ってしまった。

あーゆう時、いつも喧嘩相手がdeathと重なり、俺は理性を失う。

宇都宮。しばらくあいつに会っていない。

今度あいつに会ったら俺は間違いなくヤルだろう。

怒りで手が震える。



その時、エレベーターが開いた。


奈緒と栞が走ってくる。

栞は泣き腫らした目をしていた。

俺に頭を下げると亮の病室へ飛び込んで行った。


奈緒が俺の隣に座り、俺の顔をまじまじと見つめてきた。



「・・・陸さんも怪我、してない?」



あ?俺はやられた覚えがない。


返り血か?



「あ?・・こんなん、なんでもねーよ」