羽をくれた君~side陸~【完】




俺はこの日、奈緒をうちに泊めることにした。


こいつは今親と喧嘩しているらしく家出中らしい。


こんな真面目な奴でも親に反抗したりすんのかね。


まぁ正直気分が乗ったらヤッちまおうと思った。


それが目的で泊めたようなもんだ。


奈緒は俺の部屋に入るなり、挙動不審な行動をしていた。


かなり緊張しているらしい。俺の部屋をキョロキョロと見渡している。




「あんまキョロキョロすんなってッ」



頭を掴むと「わぁっ!!」と大声を出して物凄く驚いていた。



・・・こんなんじゃ手を出したくても出せねぇな・・・



すると今度は置物のように固まっている。



「・・・コーヒー飲めば?」



俺は奈緒の目の前に置いたコーヒーを指差した。



「は、はいぃっ!」



声が裏返っている。


笑いを堪えてコーヒーを飲むのは辛い。



「あつッ・・」


「・・なにやってんだよッ?!」