羽をくれた君~side陸~【完】



亮や栞たちに奈緒と付き合うことにしたと伝えると、皆揃って鳩に豆鉄砲をくらったような顔をした。


おもしれーな。あの女と付き合うのがそんなに驚くことなのか。


しかし栞だけは喜び、すぐさまあいつの元へと走って行った。



すると、亮が近寄って耳打ちしてきた。



「おいまじかよ!まじで奈緒ちゃんと付き合う気か!?」



「ああ」



「・・・陸、あの子は栞の親友だし、軽い気持ちで付き合ってほしくねーんだよ。それだけは俺からも頼む」




亮があまりにも真剣な表情で言うので俺は笑って頷いた。


それに対し、不信感でいっぱいな目で見てくる。



亮は一途だからな・・・



これが軽い気持ち・・・というのならあいつだってそうだろう。


あいつは外見の俺しか知らないんだから。