「まあ、少しはね」



一般的には、同居って嫁の立場だと敬遠しがち。


でも、あたしはどちらかというと、同居したかった。


舜が次男だとか、蒼太を転校させたくなかったとか、そういうのがなければ、きっと同居していたと思う。


親と一緒に暮らしたことのないあたしには、義理の両親でも一緒に暮らすことは夢だったりする。


いいことばかりじゃないんだろうけどね。



「それよりさ、絢華んちって、ほんとに近いんだね」


「そうみたいだね」



坂井くんとは、中学、高校が一緒だったけれど、特に家を知っていたわけじゃない。


でも通学中に会ったりしていたから、なんとなくはわかっていた。