華-ハナ-

神様はあたしに試練ばかりを与える。


生まれたと同時に母親を亡くすという試練……


19才の時におばあちゃんが亡くなるという試練……


20才で最愛の人、優太を亡くすという試練……



だから……


いつまたどんな時に、どんな試練を与えてくるんだろうと、怖くなる。


あたしは……


ただ幸せでいたいだけなのに……



「絢華?どうした?」


「ん?」


「泣いてんじゃん」



いつの間にか、涙が頬を伝っていたらしい。



「うん。ちょっといろいろ考えちゃって」


「……」


「そろそろ帰ろうか?おじいちゃんのところにも行かなきゃならないしね?」


「「うん!」」



蒼太と優華が元気に返事をする。