華-ハナ-

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今日も忙しく働く。


あと30分ほどであがりだって頃……


レジに立つと……


目の前には……


先日の男性。


そういえば、さっき食事しているのを見かけた。


レジ打ちをしていると



「ちょっと聞きたいんですけど」



と話し掛けてきたから、顔を上げて



「何ですか?」



と問うと……


その男性の口から、耳を疑うような言葉が飛び出してきた。



「この辺で“須藤さん”ってお宅はありますか?」


「えっ」



あたしの手も口も思考も……


すべて止まってしまった。


須藤って、……うち?


おばあちゃんを訪ねてきたの?


それともあたし?


それともお母さん?