華-ハナ-

「それより、もうすぐ蒼太の誕生日じゃん?」


「そうだな」



蒼太は3月21日で八才になる。



「何用意する?」


「バスケのゴールがほしいって言ってたぞ」


「ゴール?」


「ん。家の前にあったら、いつでもシュート練習ができるからって」


「そっか」



蒼太がバスケに興味を持ち始めたのは4才の時。


あたしがいつも



『パパはバスケが上手だったんだよ!バスケしてるパパは凄くカッコ良かったんだよ!』



と言い聞かせていたからか、蒼太も“パパと同じことしたい”って、“パパみたいに上手になりたい”って……


そう言ってやり始めた。


そんな時に舜と出会ったんだよね。


舜が蒼太のバスケの先生をしてくれて……


いつの間にか……


あたしも舜に惹かれていった。



「プレゼント、ゴールにするか?」


「うん。早めに買いに行かなきゃね」


「ん」