華-ハナ-

「……は……な……?」


「え?」



はな?


鼻?


思わず自分の鼻を触ったけれど……


何?この人は。



「注文、いいですか?」



あたしがそう言うと、男性は狼狽えながら



「えっ……あ、はい、すみません」



そう言って、料理を注文した。


なんだったんだろう。








その夜……


子供達が寝静まったあと、リビングでまったりとテレビを観ながら……



「今日さ、変なお客さんがいたんだよ」


「変な客?男?」


「うん。あたしの顔を見て固まっちゃって。……なんかついてたのかな」



首をかしげながら言うと



「そういうヤツには、あんまりかかわるなよ?」


「うん」



あのあとは、声をかけてくることもなかったから、そのまま帰ってきたんだけど……