「あ、いえ、もうすぐ優華の卒園式だなぁってしんみりしていました」


「そっか、優華ちゃんも卒園か」



きっと……


佳菜子さんもあの時のことを思い出してる。


佳菜子さんには、ずいぶん助けられたもん。



「オーダーとってきますね」



表示された番号のテーブルへと向かう。



「お待たせいたしました」


「えっと、これとこれ……」



そう言いながら話すお客様と目が合った瞬間……


えっ……


その男性……


たぶん40才前後の人。


結構カッコイイと思う。


憧れの上司って感じの人なんだけど……


その人が目を見開いて、固まってしまった。



「あの、……お客様?」