華-ハナ-

今涙を拭いたところで、この跡が消えるとは思えない。


そしたら、絶対に泣いてる理由が気になるはず。


やっぱり先に話してしまった方がいい。


そう決心したところで、あたしの視界に川越さんも入ってきて……



「絢華ちゃん、どうしたの?」



とりあえず涙を拭いて、立ち上がった。



「川越さん、お母さんに会ってください」


「え?早速会わせてもらえるの?」



川越さんは目を見開いて驚いている。



お母さんに会わせることは、ずっと延ばし延ばしにしてきた。


だからきっと、川越さんだってここに来てすぐに、会わせてもらえるなんて思っていなかったんだ。


ていうか、さっき川越さんが座っていた後方に、小さな仏壇があるんだ。


もしかしたら、あたしが話す前に気付くことも想定していた。


結局気付かなかったけど。