昼ごはんを食べ終わって、私は自習をしていた。
教室に行けない代わりに広田先生が教えてくれることになった。
「─聖徳太子は冠位十二階と十七条の憲法を定めた。」
…先生、保健室の先生なのに教え方上手だな。
少し苦手意識が日本史もすらすら解ける。
「先生、教え方上手だね。」
「そりゃ、一応先生だからね。」
「そうだった!」
私は少しおどけてみせた。
「おい、川内冗談きついぞー!」
その言葉を聞いて私は思わず笑った。
その様子を見ていた先生もつられて笑ったのだった。
楽しく勉強していたとき…
─ガラッ
いきなり保健室の扉が開いた。
そこには──冬也くんが立っていた。