その日以来、私は保健室に寄らなかった。
どういう顔で先生に会えばいいのかもわからなかった。


ただただ頭が真っ白になって…
夏休みのあの時、どうして私に優しくしたんだろう?そればかりを考えていた。


「川内、大丈夫?」


私のことを心配してくれた冬也くんに訊ねられた。


「うん、大丈夫だよ。」


「…広田のとこ行かなくていいの?」


……今は、会うのが怖い。
それに…


「最近はクラスとなじめたし、もうそろそろ保健室卒業しようかなーって思ってさ。」


…そんなの本音じゃない。
自分が一番わかってるのに、本当のことは話せなかったんだ。