「悠梨ちゃん?」


「…あの…ごめんなさい。
それはちょっと…」


「言えないんだ?」


私が言えない旨を伝えると、竹内先輩の表情が変わった。


「じゃあさ、近づかないでくれる?」


「……」


この人は、先生のことが好きだ。
だから私が邪魔なんだ。


「今後一切保健室に行かないって約束するなら何もしないから安心して?」


……それって裏を返したら……


「私が保健室に行ったら何かするってことですか?」


「さぁ、それはどうかしら?」


…私は、体育祭の歓声を聞きながら…
また大変なことになってしまったと感じた。


そして暑い日差しの下にずっといたからいきなり目眩に襲われた。


……う……そ。


グラリと歪んだ視界。
私は竹内先輩の前でそのまま倒れてしまった…