意地悪なご主人様【おまけ完】

巧の言葉一つ一つが、

ウソに聞こえて、

私は不安で不安で、

布団をかぶったまま、

泣き出してしまった。

・・・

「夏樹」

・・・

私を呼ぶ巧の声は、

悲しみで小さく聞こえるだけだった。

・・・

そんな巧を、

龍之介は外に連れ出した。

・・・

「今はそっとしておいてあげてください。

そのうち、何か思い出すかもしれませんし。

オレが傍にいますから・・・

オレが誰だか、大久保さんは分かってるみたいだし」

・・・

「今日だけ…

夏樹を頼めるか?

今は頭の中が真っ白で、

ちゃんと整理しないと・・・」

そう言った巧は、

病院を後にした。