意地悪なご主人様【おまけ完】

「な~つきちゃん♥」

・・・

この声には、

聞き覚えがある。

パッと振り返った私は、

宗次の姿を見るなり、

神が現れたと喜んだ。

…神。

ちょっと言い過ぎ?

でも、帰れない私にとって、

救世主でしかない。

・・・

「宗次さ~ん」

私は思わず抱きついてしまった。

「夏樹ちゃん、どうしたの?」

宗次は驚いている。

…ハッ。

と、我に返った私は、

咄嗟に離れようとした。

が、

宗次は離さない・・・

…早まった。