意地悪なご主人様【おまけ完】

「・・・」

巧は黙ったまま、

私を見つめる。

・・・

私は精いっぱいの笑顔を作り、

巧に言った。

・・・

「パリの事で、

巧と離れてる時間が、

寂しくて寂しくて・・・

もうそんな時間はこりごりです。

私も巧と一緒に、アメリカに行きます。

何年だって、

巧と一緒なら、寂しくなんかない」


言い終えた私は、

背伸びして、

巧にチュッと、触れるだけのキスをした。

・・・

そんな私を、

愛しい目で見つめた巧は、

私をひしと抱きしめて呟いた。

・・・

「夏樹、ありがとう」