「やっとこれを渡せる時が来た」

・・・

そう言って、

ポケットから、小さな箱を取り出した。

・・・

「それは・・」

・・・

そう、

1年前に約束した、

diamondの結婚指輪。

・・・

「ちょうど、仕事が終わった日に

届いたんだ」

そう言って微笑んだ巧。

・・・

「・・・」

私は何と言っていいかわからず、

ただ巧を見つめていた。

・・・

「ここで、結婚式があげられないのは

残念だけど、ここで、これを

夏樹に渡したかったんだ」

・・・

巧は私の左手を取った。

「つけてくれるか?」