「さっき助けたの、

カッコよかったです」

近くにいた部下に言われる。

・・・

「一緒に倒れてれば世話ないな。

皆を驚かせてしまったし」

と苦笑いを浮かべる。

・・・

それでも、

「そんなことありませんよ。

他の人たちなら、大槻さんが、

倒れるまで気づかないもの」

・・・

そうなのか?

たまたま助けただけなのに、

ここまで言われると、

返って気が引ける・・・

・・・

「さ、仕事に戻って」

「はい」

部下は持ち場に帰り、

オレも仕事を始める。

・・・が、

夏樹の事が気になり、

手が止まった。