投げキッスに苦笑いをした私は、

慌てて仕事場へ向かった。

・・・

ところでここはどこだ?

・・・

こんなところ、

来たことない。

こんなところで、迷子とは…

いい大人が・・・

・・・

「おい。大久保、こっち」

「へ?」

・・・

私が迷うことが分かっていたのか、

待っててくれた巧。

「すみません」

「駅までの道を覚えろ。

そこから後は、離れて歩け。

誰かに見られると、まずいだろ?」


「そ、そうですね」

巧の言葉は、妙に冷たい。

・・・

でも、会社では・・・