「宗次さん・・・

今までありがとうございました。

私はもう、ここにはいられない」

・・・

傍にあったカバンを持つと、

私は立ち上がり、

出ていこうとした。

・・・

「待て、夏樹。

オレがいる。

夏樹だけを愛していける。

夏樹の傍にいさせてくれ」

・・・

私の肩手を掴み、

宗次が真剣な表情で言った。

・・・

私は作り笑いを浮かべ、

首を振って見せた。

・・・

「宗次さんじゃ、

ダメなんです・・・

私には・・・」

その言葉を最後に、

部屋を出ていった。