「急に大きな声を出すな」

・・・

片耳を抑え、

夏樹に一喝。

・・・

「だって、だって、

巧、遅刻、遅刻!!」

そう言って掛け時計を指差した。

・・・

7:55.

・・・

全く身支度をしてなかった俺たちは、

顔色を変えて、

早急に準備を始める。

・・・

色気も何も、

あったもんじゃない。

・・・

準備ができ、

バタバタと、

玄関に走って向かった。

・・・

靴を履き終えた夏樹は、

突然振り返った。