・・・

「二人の世界に入ってるんじゃない」

・・・

優しいひと時を壊すのは、

もちろん巧。

・・・

「うるせえよ。

巧はもう少し、夏樹ちゃんとオレに、

優しくなれないのか?」

・・・

オレの言葉に、

「オレなりに、

優しくしてるつもりだ。

そんなこともわからないのか?」

・・・

分からないから、

こうして言ってんだっての!

怒りをあらわにしたオレを、

夏樹が止めた。

・・・

「何で、止めるんだよ?」

すると夏樹は、

苦笑いをしていった。

「巧は不器用なだけですよ、ね?」

ね?

と言った夏樹の目は巧を捉えていた。