「樫野くん、あのカッコで呼びこみしたんじゃそりゃ疲れるよね。きっと色んな人に写メ頼まれたに違いないよ」



クス、と笑いながら言った嘉乃に、私はそうかと頷いた。



「ああ、なるほど。それであんな疲れた顔してたわけね」


「きっとそうだよ。…ね、そんなことより、どこ行く!?」


「とりあえず、なんでもいいから食べたい。お腹すいた。並ばないで食べられるとこないの?」


嘉乃の見ていたパンフレットを、横から覗き込みながら言った。



お好み焼きに、焼きそばに、焼き鳥……。


今なら全部食べられる気がする!




「屋台のほうならそこまで並ばないんじゃない?外行こっか」


「いいね!」


嘉乃の提案に元気よく賛成の声を上げる。



「今日のうちに主食系行っちゃって、明日はキョウとデザート系行きなよ。クレープとかアイスとか…、可愛いやつ」


「それは、作戦すか?」


「うむ、なんてったってキョウは清楚系が好きだから!」


クレープ、……清楚系か?

……や、まぁいっか!


「了解っす!じゃあとりあえず今日は焼きそば食べたいっす!」


あまりの空腹に、なんだかおかしいテンションになりながら、私は嘉乃に向かってすちゃっと敬礼したのだった。








―――――そんなこんなで。


ひたすら働き、焼きそば食べて、文化祭1日目、無事、終了!