ねえ。
ちょっと待ってよ。
……受付がこんなに忙しいなんて、聞いてない。
「2名様ですね。少々お待ちください」
にっこりと、私は新たに列に加わったカップルに営業スマイルを向けた。
ずらりと目の前の見事な長さの列に、心の中で嘆息しながら。
午前中は、それほどでもなかった私のクラスのお化け屋敷。
だけど、どうやら一度入ったら病みつきになる怖さがあるらしい。
リピーターになる人が続出して。
そんな評判がだんだん広がっていって、今はもう約20分待ちっていう盛況っぷり。
本当は私も今の時間は自分のシフトではないんだけど、予想以上の人の入りに、予定していたスタッフ数では足りず、午前中から継続して働いていた。
「お待たせしました。3名様、どうぞいってらっしゃいませ」
教室の中のクラスメイトからの、次入れて、というメールをちらりと確認して、
私は列の先頭にいたお客さんを教室の中へ入れる。
メールを見たときに時間も確認したら、もう14時半だった。
……いい加減、お腹が空きました…。


