「……でも、もしかしなくてもゲームの一環なんだよね…」
つまり、拒否はできないんだよね…。
「あたりまえじゃん。キョウはそのつもりだと思うよ。文化祭デート!素敵!」
……果てしなくめんどくさいことになりそう。
京佑くんとまわること自体じゃなくて、その後が。
項垂れてる私とは正反対にキラキラと瞳を輝かせてる嘉乃。
「……あ、そうだ、ごめんね。諒兄、誘ってもこういうの絶対来ないと思うから…」
「え!?いいよそんなの!」
社交性ゼロの付き合いの悪すぎる男は、奴の興味のあるゲームでもない限りこんな場所には出てこないだろう。
「そんな気にしすぎないで。来るのは明日なんだから、今日は思いっきり楽しもう!!」
良い笑顔ですけど、そもそも嘉乃が京佑くんを誘ったからこんなんなってんじゃん!
……なんて言いたいのを我慢して。
「……そうだね」
と、私は力なく笑ったのだった。


