「あ、そうだ明日キョウ来るって」
「……へ?」
諒兄ってもしや面食いなのか?なんて考えていたら嘉乃にいきなりそう言われて、間の抜けた声がでた。
「京佑くん?」
「うん。ほら、私たち文化祭の準備で忙しかったし、会えてないでしょ?だから、呼んだの。シフト入ってないとき一緒に回りなよ」
そう言って、にっこり笑う嘉乃。
会えてないって言ったって…。
嘉乃に兄を紹介したのが今週の火曜日だから…。
ほんの数日ですよ?
「……それは、友達と来るとかじゃなくて?」
「ううん?だって私、アヤとまわってねって言ったもん」
「それ、京佑くん了解したの!?」
「え、うん。行くって」
「……」
あのですね…。
たとえふたりの間に何もなくたってですね。
男女がふたりで歩いてたら、恋人同士だと思われるもんなんですよ?
それを学校でやったら、私クラスメイトにそういう目で見られるってことですよね…?
本当に付き合ってるならいいけど。
でも、違うし。
しかも、京佑くんのあの顔じゃ、絶対なんか言われる。
特に女子に。


