これだって、私が自分で買ったわけじゃなくて、諒兄のクローゼットから拝借してきたものだ。
諒兄がこれ着てるとこ見たこと無いけど、彼はなぜこんなものを買ったんだろうか…。
いや、でも着てるとこ見たこと無いってことは、さすがの諒兄もこれと何かを合わせるのは諦めたのか…?
私が何か使えるものは無いかと諒兄のクローゼットをあさっている時も、彼はゲームしか見ていなかった。
『これ貸して』
とマントを持って訊いた時も、「ああ」の一言。
しかも私の方なんて見もせずに。
嘉乃を紹介した日も、私の前ではゲームしか見てなかったくせに、翌日、嘉乃に私がいなくなったあとどうなったのか訊いたら、なんと嘉乃は諒兄のアドレスをゲットしたという。
あの兄が、アドレス交換…?
想像がつかなくて、私は一体嘉乃がどんな技を使ったのか未だに謎である。
嘉乃曰く、私何もしてないよ?らしいが。
もしかして、ゲーム以外興味無いようなふりして、やっぱり嘉乃ほどの美少女だとドキッとしたりするんだろうか…。


