―――――そして、いよいよ。
文化祭当日、やって参りました!
「アヤー!見て見て、似合う!?」
くるん、と一回転した嘉乃に、私は思わず笑みが漏れた。
「可愛い可愛い。それ、自分の着物?」
嘉乃は白無地の着物姿だった。
今日嘉乃はお化け屋敷のお化け役だから、きっと柳の下の幽霊、っていうイメージなんだろう。
「うん、そう。みんなみたいにお金かけずに済んだからラッキー」
「ハハ、なるほどね」
確かに、他の皆の衣装は自分で作ったりネットで買ったりしたみたい。
嘉乃のように着物姿だったり、黒いマント着てたり、中には魔女やドラキュラをイメージさせる格好の人までいる。
このお化け屋敷には国境とか、ないみたいだ。
「ま、私もお金かけてないけどね」
2日間受付と呼びこみだけで、お化けの担当にはなっていないので、私の衣装といえばいつもの制服に、膝丈の黒いマントを羽織っただけ。
前のボタン留めちゃえば制服見えないし!


