……ひとりになりたいとき、ねぇ。
なら、どうして私を呼んだりしたんだろう。
私はそう思ったけれど口には出さず、ただアイスココアを口に運んだ。
「……昨日はごめん」
ふと、低い声で京佑くんがそう言ってきた。
「ごめんって…、なにが」
素直に謝るなんてキャラじゃないと思っていたから少し驚きつつ、私はそう言った。
「いや…、なんとなく」
なんとなくかい。
呆れてしまったけれど、私は思わず苦笑していた。
もしかして、ずっと私が昨日ぶつけた言葉、考えてたのかな。
それで、謝ってるの?
「あんたって…、よくわかんない」
人として、最低だとは思う。
女の子弄んだりして。
本性出さずにヘラヘラしてて、気に食わないとも思う。
それに、隠してる本性は、傲慢でナルシストで。
……けど。
そんな傲慢なナルシストのくせに、謝ったり、するんだ。
しかも、謝る理由も自分でよくわかっていないのに。
「……ねえ」
「はい?」
話しかけられて隣を見ると、じっと私を見る京佑くんの目と視線がぶつかった。
「昨日、俺とちゃんと向き合うって、言ったよね」
「言ったけど…」
「じゃあ、俺も、そうするから。……で、おまえのこと、本気で、落とすから」
京佑くんは、そう言って。
―――――くしゃっと、笑った。


