京佑くんとの放課後デートの翌朝。


「アヤ!!」


「うわっ」


教室に入った途端、嘉乃が飛びついてきた。


興奮気味に頬を紅潮させて、私の肩を両手でしっかり捕まえて。


ただでさえ身長差があるんだから、少し手加減してくれないかな。


すごい迫力なんですけど。



「どうしたの?」


私は、やんわりと嘉乃の手を肩から外し、自分の席に歩き出しながらそう訊いた。


「昨日!デートでなにがあったの!?私キョウに、綺深の好きなタイプ訊かれたんだけど!キョウがそんなこと気にするなんて、信じられないよ!」


「……へ?」


私は、思わず間の抜けた声を上げていた。


てっきり怒ってるか落ち込んでるもんだと思ってたけど…。

案外まだやる気なのか?


「……京佑くん、私のこと怒ってなかった?」


机にカバンを置いて中から教科書類を取り出しながら嘉乃に訊くと、嘉乃は不思議そうな顔をした。



「怒る?なに?アヤ、なにかキョウを怒らせるようなことしたの?」

「……うーん…、実は」

すとん、と椅子に座って、私は昨日京佑くんにぶつけてしまった言葉を嘉乃にざっと説明した。


「……アヤ」


すると。