2年半は、部活漬け。
……そして残りの、半年は。
「……綺深?」
出席番号順で並べられた椅子に座っていた私は、隣の椅子の美都の驚いたような声でハッと我に返った。
私にしか聞こえないような小さな声だったけれど、美都の驚きの色ははっきり伝わってきて。
視界を濡らす水滴の正体が涙であることにも気付いて。
……私、最近泣いてばっかりだなぁ、なんて思わず笑ってしまった。
「ごめん、何でもないよ」
美都に小声でそう返すと、美都は「そう?」と心配そうな曖昧な笑みを見せて、再び視線を前に戻した。
もう、後は退場を待つだけ。
卒業式も、あっという間だった。
……私の高校生活、残りの半年は、間違いなく、京佑くん漬け、だったよ。
好きになる前だって、好きになった後だって。


