「ちょっと、もう時間」
もう予鈴がなりそうな時間だ。
しかし嘉乃はそんなことはお構いなしで。
「今日はサボる!どうせ自由登校なんだし」
ぐいぐいと引っ張られて、気付けば学校を出ていた。
そのまま、私の家の前まで連行される。
やっと立ち止まった嘉乃は、眉をしかめたまま、私を見た。
「今日は、お家の方は!?」
「誰もいないけど……」
両親は仕事だし、諒兄は大学だし。
そう思って正直に答えた。
すると、嘉乃はひとつ、頷いて。
「じゃあ、開けて下さい!」
と家のドアを指差した。
「なんで……」
「アヤと、話がしたいから!」
はっきりと返されて、私は仕方なく鞄の中から鍵を取り出し、家のドアを開けた。
そのまま嘉乃と私の部屋に入る。
すとん、と嘉乃はテーブルの脇に鞄を置いて床に腰を下ろす。
私も嘉乃の向かいに座った。


