「急じゃないよ。決めてた。……期限はバレンタインまで、って」
「そんなの、聞いてない……」
「当たり前でしょ。言ってないんだから。……これ以上、綺深を縛り付けておくわけにいかない。もう卒業だし、こんな関係、綺深のためにもよくない」
「……」
「……ていうのは建前。本当は、俺がつらいだけ。このままじゃ、無理やりにでも自分のものにしてしまいそうで怖い。……だから、今のうちに離れたほうがいいと思ったんだ」
「……でも」
「自分から頑張らせてくれって言ったのにごめん。……綺深、ゲームの報酬、決めた?」
ゲームの、報酬……。
負けた方が、ひとつだけ相手のいうことをきく──……。
私は力なく首を横に振った。
そんなもの、考えようともしてなかった。
「……じゃあ、決めたら、連絡ちょうだい。俺からはもう、連絡しないから」
「……ねぇ、嘘でしょ…?こんな、急にさよならなの?せめて普通に友達には戻れないの?」
頭が混乱して、自分が何を言っているのかよく分からない。
友達に戻る?
私は、何を言っているんだろう。


