君と本気のラブゲーム


「ていうか、制服似合うね」


……は?


私は思わず何言ってんだこいつ、と言う目で京佑くんを見てしまった。


嘉乃と同じですよ?


茶色を基調にした、セーラー服。

チェックのスカートは可愛いと思うし自分でも気に入ってるけど。


…明らかに嘉乃が着た方が似合ってるし、可愛いでしょ?


「……それはどうも?」


そう思ったけど、そんなことを言っても仕方ないのでそう返しておく。

すると京佑くんは「うん」となぜか嬉しそうに笑った。


……これが本物の笑顔だったら、きゅんとしてるかもだけど。


「……映画って何見るの?」


映画館に向かって歩きながら、そう訊く。


「岬さんは、何かみたいのある?」


「ううん…、ていうか今何やってるのかわからないし」


「じゃあ着いたら決めようか」


「そっちが見たいのでいいよ?」


誘ってきたのはそっちなんだし。


「岬さんの希望がなければそうするよ。俺がみたいの、リバイバル上映だからどうしても映画館で見たいっていうわけじゃないし」


京佑くんは、さりげなく人の流れから私を守りつつ歩いてくれてる。

全然、そんなそぶりなんて見せないけど、そういうのってわかっちゃうもんだよね…。


「リバイバル?何?」


京佑くんが答えた映画は、私も大好きな映画だった。

私はDVDでしか見たことがないから、映画館でやってるなら私もぜひ見たい。


「私もそれがいいな」

「ほんと?」

「うん。私その映画大好き」


恋愛ものだけど、京佑くんそういうのも見るんだ。