その姿を見送って、私は家に入った。
得意なやつ、か。
両親が共働きだから、どちらかというとお菓子よりはご飯系の料理の方が得意。
というか、こういうイベントがなければお菓子なんてほとんど作らないかも…。
うーん。
どうしようかな。
私は頭をひねりつつ、どこかわくわくしていた。
好きな人にチョコレートを渡せるのなんて、久しぶりだもん。
「……あれ、諒兄。ただいま」
リビングで夕食を食べていた諒兄に声を掛けて、私もソファに腰掛けた。
「おかえり。遅かったな」
「そう?あ、チャーハン?私の分ある?」
諒兄があり合わせで作ったらしいチャーハンの匂いに、私は自分が空腹なことに気づく。
諒兄は、無言でキッチンを指差した。
どうやら、あるみたい。


