始めこそおそるおそる、という感じで眉を寄せたままコーヒーカップの中にいた京佑くんだったけど、いつ何のネジが飛んだのか知らないが、今はスピードマックスでコーヒーカップを回している。
私に回す権利なんぞ与えてはくれないらしい。
くるくると回るコーヒーカップの上で、さっきのドキドキを返せ!と心の中で何度も思った私なのだった。
「あー、楽しかった!もう一回乗る?」
京佑くんはコーヒーカップをおりると、妙にすっきりした顔で爽やかにそう尋ねてくる。
「……本気で遠慮しときます」
「そ?」
誰だよ!
私が楽しめる方が大事とか言ったのは!!
「何、怒ってんの?」
私がふくれっ面なのを見て、京佑くんはからかうようにそう言ってきた。
「……怒ってる」
本当は、べつに怒ってなんかいないけど、思わずそう返していた。
もっとファンシーな気分を味わいたかったのに!
っていう、ただ、それだけの不満から。


