「ていうか!嘉乃もさ、そこはとりあえずお付き合いから、って言うところじゃないの!?」
なんであっさり受け入れちゃってるの!?
「だって、私はじめから諒太郎さんと結婚するつもりだったし。それに諒太郎さんしか好きにならないもん。だから、いっかなって思って」
単純明快。
本当、尊敬するわ……。
「……で、その指輪、貰ったの?」
嘉乃の右手薬指にはきらりと指輪が光っていた。
「うん!一緒に買いに行ったの」
「ほー……」
ゲーム以外の時間の大半はバイトを入れてる諒兄のことだから、お金の心配はしてないけど……。
そして稼いだお金もゲームにしか使わないっていう……。
誰かに何かを買ってあげる、なんてもしかして初めてじゃないのかな?
その初めてがエンゲージリングなんて、我が兄ながらすごいな……。


