君と本気のラブゲーム



ただ、勉強を教えてもらいに京佑くんの部屋に行ったあの日からずっと、会った日は毎回家まで送ってくれるようになったけど。




私は、こんな普通の友達みたいな付き合いでも楽しい。



…でも、やっぱり、前みたいに強引なところが少しも無いのは、少しだけ、不思議に思っていた。



不意に、黙ったままこっちを見つめてきたり。


まるで頬に触れたいみたいに手をのばしてはひっこめたり。


そんな謎な行動はあるけど、京佑くんはキスどころかハグもしてこない。



恋人でもないんだしこれがきっと正しい形なんだろうと思うけど…。




……それを寂しいって思うのは、多分私のわがまま。



好きでも無い人にキスするなんて、最低。



そう思っていたのも、そんな意味のことを言ったのも、私だ。



だから。


私のことを好きじゃないとしても、そういうことをしてほしいと思うのは、きっとダメなことなんだ。