学生の多い諒兄のバイト先はクリスマス時期は人手が足りないらしく、諒兄は普段は入れていない曜日までシフトを入れていた。



「そうなの。付き合ってるわけじゃないし、文句は言えないけど…。でも、寂しいよー」


「本当、空気読めない奴でごめんね」


「ううん。……ていうか、代わりに23日に会うことになったから、いいんだけど」


「デート?」


「わかんない。けど、最近諒太郎さん前より自分の話もしてくれるようになったし、私もう一回告白しようかなぁ」


嘉乃のそんな話を聞いているうちに、頼んでいたケーキセットが運ばれてきた。


クリスマスまでの限定メニューらしくて、クリスマスリースを模(かたど)った飾りが付いている。


「可愛い!いただきます」


「本当、食べるのもったいないね」