再び溜息をついて、私も館内へと戻ろうと歩き出した。
恋愛って、こんなに大変だっただろうか。
自分を好きになってくれた人のことを好きになれたらどんなにいいだろうか、なんて、月並みなことをしみじみ思う。
そしたら、誰も傷付かないのに。
あえてつらい道を選ぶなんて、普通ならあり得ない。
でも、恋愛は概してそういうものだよね。
つらくて、苦しくて、難しくて。
だけど、それ以上に、愛しいから。
だから、どんなに傷付いても。
それでも、好きでいることをやめられないんだろう──…。
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