……強いな、美都は。
もちろん、恋愛としての好き、もあるだろう。
────でも、美都の樫野くんに対する好き、は、それだけじゃないんだと思った。
……それに。
美都はきっと、確信、してる。
いつかは絶対、自分を選んでくれると。
だから、こんな強くいられるんだ。
自信があるんだ。
自分の気持ちの強さに。
……樫野くんは、こんないい子にこんなに想われるくらいの人なのに。
「……私、樫野くんにひどいことしちゃったよね」
「仕方ないよ。……私も、悪かったし…」
「ううん。やっぱり、逃げちゃダメだったんだ。ちゃんと、向き合わなきゃ」
そう言うと、美都は、そうだね、と静かに頷いた。
