「綺深の恋バナなんて、初めて聞くよね」
「…美都のも、聞いたことないけど…」
そう返すと、「そういえば、部活ばっかりだったもんねー」って、美都は笑った。
「……私ね、ずっと、翔也のことが好きだった」
「……え!?」
美都の突然の衝撃告白に、私は目を丸くした。
そんな私に美都は小さく笑い、空を見上げた。
「いつから、なんてわかんないけど。だって、物心ついたここからずっと一緒にいるんだもん。友達の好きが、いつ恋愛の好き、になったかなんて、わかんない。……でも、ずっと、好きなんだ」
何の迷いも無く言った美都の横顔は、とても綺麗だと思った。
「私、本当は高校入ったら天文部に入るつもりだったんだよ?」
「……星、好きだもんね」
「うん。大好き。……でも、翔也に野球部のマネージャーやらないかって誘われて、あっさり乗り換えちゃった」
「そうだったんだ…」
「不純な動機でしょ。…ひいた?」


