するっ、と手首から抜かれたヘアゴムとシュシュ。
美都は一体何がしたいの!?
「はい、美都ちゃん。次ドライヤーどうぞー」
のんびりした嘉乃の声に、美都は、ありがとう、と言って差し出されたドライヤーを受け取ると、ボー、と髪を乾かし始めてしまった。
ちょっと、私のゴム!!
「あれ?アヤが髪下ろしたままなんて珍しい。…ていうか、こっちの方が可愛い」
「だから、それは嘉乃の贔屓目だから!…じゃなくて、美都にゴムとシュシュ取られたの!」
「えー、なにそれ!美都ちゃん、ナイス!!」
嘉乃の声に、美都が髪を乾かしながら、でしょ!!と返した。
でしょ、じゃないから!!
嘉乃も、何がナイスなの!?


