「うん。……ねぇアヤ、嬉しい?キョウと、一緒で」
「え!?」
いきなり何を訊いてくるんだ。
嬉しい、嬉しくないっていうより、今はただ驚いている。
……久しぶりに会うと、会えない分が一気に来ますね。
……心臓に。
合宿が一緒で嬉しい、ていうよりは、会えて嬉しい、って思ってる。
……でも。
「別に、嬉しいとかはないよ?」
私はそう言った。
嘉乃の目は、見られない。
嘘が、ばれる。
「……そっか、残念。…あーあ。諒太郎さんに会いたいなー」
「多分ゲーム中だよ、今」
まぁ、奴の場合生活のほとんどがゲーム中ですが…。
「あとで電話してみよっかな」
ほんのり頬を赤くした嘉乃は本当に可愛い。
恋してる、って感じ。
なんだか、そんな素直な恋愛のできる嘉乃が、無性に、羨ましかった。


