「ねぇ、なんで教えてくれなかったの?京佑くんも同じとこで合宿だって…」
部屋に戻る途中、私はこそっと嘉乃にそう声を掛けた。
中高一貫校だけど、京佑くんは高校からの編入組らしい。
……それって、やっぱりすごいよね。
頭、いいんだよね。
なんだか、東高生としての京佑くんをちゃんと見たのは初めてだったから、なんだか遠い人みたいに感じてしまった。
「え?言ってなかったっけ?」
「聞いてないよ」
「そうだっけー。でも、私たちは明日で帰るしほとんどかぶってないよ。今日の夜と明日の午前だけ」
「……でも」
「ていうか私キョウにも言ってなかったかも。ここで合宿だって」
「そうなの!?」


